3. 伊澄(ボケ)と咲夜(ツッコミ)と招待状

ハヤテがミステリーなゾーンに足を踏み入れてから、しばらく後。

「ふふ・・・ふはは・・・ふはははは!」

 

 

三千院家、書庫。
普段は静寂に包まれた広大な部屋に、マッドなサイエンティストよろしいナギの高笑いが響く。

「出来た、出来たぞ!
 戦隊ヒーローと悪の女王、そして最後は巨大ロボ同士の決戦!
 カンペキではないか!」

当然ながら、彼女は決してサイエンティストなどではないし
(マッドでないかどうかは敢えて言うまいとして)、
もちろんロボを作り上げたワケでもない。
彼女はいつもの様にノートに“作品”を描いただけだ。
それもまだ、設定と序盤のストーリーを描いたに過ぎない。
だが・・・それ自体はいつもと変わらぬ行為だというのに、
その達成感が半端ではないのだ。
・・・それこそ、思わず高笑いしてしまう程に。

「うむ、このノート、で描き始めてから、面白い様にペンが進むな!
 これはきっと・・・いや間違いない、伝説のノートなのだ!
 これまでのノートでは、私の有り余る力を受け入れきれなかった・・・だからこそ、
 私の作品は本来の評価を得ることが出来なかった・・・だが!」

ばん!と興奮気味に机を叩き、ナギは声を張り上げる。

「このノートなら、私の力は100%・・・いや、120%!
 フルに発揮することができるのだ!
 ふふふ・・・この作品が単行本として量産された暁には、連邦など・・・」

と、まぁそんな感じで、聴衆のいないナギの演説は、しばらくの間続いた。
やがて、言いたいことは全て言ったか、それとも単に疲れたか、
一通りまくしたてたところでナギはやっと言葉を止めると、はぁはぁと息を切らす。
だが、それで彼女の中の熱・・・否、炎が消える様なことはない。
演説を終えたところで、彼女は執筆活動を再開する。

「さて、そろそろヒロインを登場させねばならないな・・・
 悪の女王にさらわれる美少女ヒロイン・・・」

ナギはペンを止め、しばし黙考するが、程なくしてニヤリと唇の端を釣り上げる。

「可憐で健気なだけのヒロインなど、いくらでもいる!
 だがフルパワーの私がそんなありきたりな設定に甘んじるワケにはいかないのだ!
 必要なのは、可憐さプラス・・・インパクト!」

そしてひと呼吸おいて、“ヒロイン”と書かれた枠にペンを走らせる。

「ハヤテ、と」

そのキャスティングだけでもう作品の成功は約束された、とばかりにニンマリと笑みを浮かべる。
余程に会心のアイデアだったのか、ナギの創作意欲は更に燃え上がり、
広がり続ける妄想・・・もとい、想像力に身を任せ、ノリノリで好き自由にペンを走らせる。

「あとはそうだな・・・マリアも出してやらないとな。
 マリアといえば・・・魔女とか・・・」
「魔女ですか」
「うむ、あとは悪の女幹部なんかも捨てがたいな」
「・・・そうですか」
「うむ! だが・・・」

ナギは何の違和感も抱かぬまま、自分の世界に浸りきったまま、
浮かんでくるイメージを口にしてしまう。

「昨日のあの格好のマリアは・・・うぷぷ・・・それはもうケッサクだったからな!」
「・・・」
「魔女ならぬ、魔女っ娘!
 マリアの年齢で魔女っ娘という大冒険!
 ヒトには出来ない発想を平気でやってのける!
 流石わたし!
 そこにシビれる! あこがれるゥ!」
「シビれないしあこがれませんっ!」
「うぉあ!?」

言葉とは裏腹の、痺れをきらした、と言わんばかりの怒声にナギは飛び上がらんばかりに驚いて、
そこで初めて彼女はいつの間にか自分以外の人物がそばにいることに気付く。
・・・よりによって、この場面においては最も居られては困る人物がそこにいる、という事実に。

「ま、ままマリア!?」
「ナ〜ギ〜?」

一体どのあたりからそこにいたのか・・・は、聞かずともマリアの声の調子と表情で
察することができた様だ。

「そうですか・・・私は魔女っ娘は似合いませんか」
「い、いや! それはだな! ま、マリアには年相応の格好がだな!」

「魔女っ娘がどんなものか詳しくは知りませんが・・・
 17才という年齢は適正ではないというコトですか・・・」
「い、いや! 実年齢がどうかというより、マリアの場合はほら、な、なんていうか、その!
 そう、見た目! 見た目が老け、あ! いや、その、なんだ!
 そう! 大人びているからな!
 フリフリでヒラヒラなあんな格好は、に、似合わないのだ!」

自分の世界から、不意に厳しい現実へと引き戻されたナギは、
必死に弁解するつもりで、ざくざくと墓穴を掘りまくる。

「ナ〜〜ギ〜〜?」
「い、いや! これはマンガ! マンガの話なのだ!
 決して現実のマリアのコトを言っているワケでは!」
「今更そんな言い訳なんて聞きません!
 昨日の私の服装も、先程の商店街の様子も・・・ナギ、
 やっぱり全てあなたの仕業だったのですね!?」
「んな・・・っ!?」

マリアからすれば、昨日の出来事も先程の状況も、
ナギの仕業で最早疑いの余地なし、有罪確定。
実際ナギはナギで、心当たりがあるにはある。
だが・・・

「な、何を言っているのだ!
 昨日の衣装はお前が勝手に着たのだろう?
 少なくとも私はマンガの中でしか、そんな衣装、着せていないぞ!」

自分の仕業だと認めてしまったら、一体どんなお仕置きが
わが身に降り注ぐのか想像するだに恐ろしい、というのも勿論あるのだが、
何せ、描いたことが実現してしまいかねないという不思議な力を秘めたこのノート。
そんなことを説明したら、このノートを取り上げられてしまう可能性だってあるのだ。
そして、ナギにとってそれは絶対に避けねばならないコトである。
何故なら・・・このノートで漫画を描けば、世界が獲れる。
そう、確信に近い手応えを得た今のナギに、
ノートを手放すという選択肢は絶対に有り得ないコトなのだ。

「そんな言い訳、通用しませんわ!
 大体私が好き好んであんな恥ずかしい衣装、着るハズがないじゃないですか!」
「んなっ! ではどうやってお前自身に気付かせずに着替えさせたと言うのだ!
 それに商店街? 何の話かさっぱりわからんぞ!?」

そんなワケで、ナギとしてはもう、全力でしらばっくれる他はない。
マリアの言う商店街については本当に何のことやらさっぱりなので、
ここはもう、知らぬ存ぜぬの一点張り。
マリアはマリアでナギのことを真犯人だと信じ込んでいるものだから、
話は完全に平行線。

「だから私は知らんと言っている!」
「しらばっくれるんじゃありません!」

どちらも決して譲らず、状況は完全に膠着する。
そんな状況を打破するには大概の場合・・・

「それはすべて、そこにある呪いのノートの力に因るものなのです」
「伊澄!?」
「伊澄さん!?」

第三者の介入が効果的なのだ。

「おお、伊澄! 来ていたのか!」
「いらっしゃいませ、伊澄さん。 すみません、お出迎えも出来ませんで・・・」

身に覚えの無いコトで問い詰められていたナギとしては渡りに船とばかりに、
メイドであるマリアとしては立場上仕方なく、
2人は唐突に現れた第三者・伊澄に挨拶する。
挨拶をしてから、

「「ノート?」」

異口同音に、疑問に思った単語を口にする。
伊澄が神出鬼没なのは今に始まったコトではなく、
このように屋敷の中に唐突に現れても、今更不思議がる2人ではない。
だが、彼女が口にした言葉は、流石に少々、唐突に過ぎた。

「ええ、ナギ。 そのノートには、強力な呪いがかけられているわ」
「な、なにっ!?」

伊澄の言う“呪い”という言葉に、ナギは敏感に反応する。
何せ、このノートには描いたコトを現実にするという、
常軌を逸した力が秘められていることをナギは既に知っている。
そんな現実を超越したアイテムにまつわる話なだけに、
伊澄の言う “呪い”とやらがかけられていたとしても、
それを“非現実的”と一蹴することは出来ないのだ。
その一方でマリアは、

「ええと・・・呪い、ですか?」

いまいち“呪い”という言葉がすんなりと飲み込めず、反芻するように口にする。
非科学的なことを一切信じないマリアにとって、
そんな言葉はナギの漫画の中だけのモノなのである。
だが、いや、だからこそ・・・

「成程、そうですか」
「はい?」
「む?」

得心が行った、という様に一言呟くと、
マリアはナギと伊澄に笑顔を向ける。

「!?」

誰が見ても怒っているとひと目でわかるような、とてもステキな笑顔を。

「つまり、伊澄さんまで使って私のことをからかっていると、そういうコトなんですね?」
「ちょ・・・っ! い、いやまてマリア! なんでそうなるのだ!」
「え、いや、あの、その・・・」

ナギが伊澄までもを使って自分をからかっていると完全に思い込んでいるマリアの怒りは、
先程よりも更に激しいものとなっている。
そんな怒気を思い切り向けられたナギは必死に否定しようとするのだが、
もはや完全に逃げ腰。
言葉では言い返してこそいるものの、逃げ出したくて仕方ないのが内心であった。
伊澄はそんな2人についていけず、例によってただオロオロとするばかり。

「そもそも呪いなんてものがあるわけ無いじゃないですか!」
「いえ、その、け、決して・・・そんなことは・・・」

普段からその手のコトを解決してきている伊澄にとって、
“呪い”の存在を頭ごなしに否定されては立つ瀬もないのだが、
かと言ってマリアにその存在を認めさせるだけの話術が伊澄にあるかというと、
そこはもう、残念ながら言うまでもない。

「それに大体、おかしいじゃないですか。
 どうしてここに来たばかりの伊澄さんがその怪しげなノートのことをご存知なんですか!」
「それは、その・・・」

そこにもちゃんとした理由はあるのだが、もともとのレスポンスの遅さに加え、
状況もわからないままマリアの怒気の余波に当てられた伊澄に、
その理由を説明しろと言うのも酷な話である。

「そ、そうだ、そうだぞ伊澄! どうしてお前がこのノートのコトを知っているのだ!」

その怒気を一身に受けていたナギは、そこを疑問に思っているというよりも、
少しでも話を逸らしたいという一心で伊澄に話を振る。

「ええと、あの・・・ハヤテさまが・・・」
「ハヤテ?」
「ハヤテくんが?」

ノート、呪い、そして次はハヤテ・・・
続けざまに出てくる断片的な情報を脳内で統合するのは流石に困難で、
ナギもマリアもオロオロする伊澄の、言葉の先を待つ。

「ええ・・・ハヤテさまが尋ねてこられまして、そこで商店街のお話を伺いました。
 私も実際に見てみたけど・・・あの異様な光景は、
 間違いなく呪いの力、それもかなり強力なものだわ」
「また商店街か! 伊澄、一体何が起こっているのだ!」

マリアに続いて伊澄も口にしたその言葉に、
ナギは怒りに怯えながらも興味を抱く。
だが、

「・・・・・・」

伊澄はその様子を敢えて口にしようとはしない。

「な、なんなのだ? そんなに恐ろしいコトになっているのか・・・?」
「ま、まぁ・・・異様なのは間違いありませんわね・・・」

伊澄が口にしたがらない気持ちは、マリアにも理解できる。
勿論マリアだって、あの状況を言葉で描写したいとは思わない。

「そのとき、ハヤテさまからナギが昨日から妙なノートでまんがを描いているとも伺いましたので、
 もしやと思い来てみたのだけど・・・」

そこでまた伊澄は口をつぐむ。
先程の商店街の状況とは違う意味で言葉にしづらいところなのだ。
伊澄の目には、本から沸き上がる呪いの力がありありと見て取れるのだが、
それを見えない人間に説明するのは伊澄には困難であるし、
それに・・・ナギの前でその手の力に関わることを話したくはないのだ。
なので、しばし考えて・・・

「そのノート、鷺ノ宮家に伝わる禁書目録に記録されているものとぴったり一致するの」
「は・・・きんしょ?」
「ちがう! インデックスと読むのだ!」
「は、はぁ・・・」

微妙に論点がずれたワケだが、元から全くその手のコトを信じないマリアは兎も角、
ナギはなんとなく納得してしまう。
伊澄にしては上出来、というところか。

「あの、それで・・・当のハヤテくんは?」

商店街のことを思い出したあたりから徐々に薄れていたところに、
いまいち意味不明なやり取りを経て、マリアの怒りもかなり落ち着いてくる。
落ち着いたところで、揚げ足とりではなく素で疑問に思ったことを口にする。

「ハヤテさまは、途中までは一緒だったのだけど・・・」

ハヤテが伊澄を連れてきたならば、彼がここにいないハズがない。

「迷子になってしまわれて・・・」
「「・・・・・・」」

ああ、なるほど、と。
2人は無言で同じことを思い、そして敢えて無言のまま通す。
果たして迷子になったのがどちらなのか、そこはもう、敢えて突っ込むところではないのだ。
だが・・・!

「迷子になったのはおまえやっちゅーねん!」

すぱぁんっ!

「あぅっ!」

そこをツッコまずにはいられない者もいるワケで。

「あら、咲夜さんも。 いらっしゃい」
「おぉ咲夜、伊澄にツッコみにわざわざきたのか」

新たに、そしてやはり唐突に現れた客人にも、彼女のその行為にも、
2人は何の動揺も示さない。
もはや日常的な風景のひとコマなのだ。

「アホかー! ウチがいなかったらどないして伊澄さんがナギんところまで辿りつくちゅーんや!」
「成程、それもそうだな」

そんな2人のやり取りに、むー、と口をへの字にした伊澄が恨みがましい視線を送るが、
それがハリセンで頭をはたかれたからなのか、
ひとりでは三千院家にたどり着けないと決め付けられたことが気に障ったからなのか、
はたまたその両方なのかは、定かではない。

「外がなんかおもろいコトになってたんで、あちこち見て回りながらナギんとこに
 遊びにくるつもりやったんやけどな、 たまたま蝶を追いかけてた伊澄さんに会ったんで、
 ここまで連れてきたんよ」
「そうか、それはご苦労だったな」
「せやけど・・・」
「む?」

挨拶代わりに事情を説明したところで、当の咲夜がひとつ疑問を抱く。

「伊澄さんが迷子になるのは毎度のコトとして、それならそれであの借金執事、
 とっくに屋敷に戻ってそうなもんやけど、まだ帰らんの?」
「そう言えば・・・」

ハヤテが屋敷に帰れば、真っ先にナギの元に挨拶にくるハズである。
だが、ナギもマリアも、ハヤテの姿を見ていない。

「もしかして、あの商店街で伊澄さんのことを探されているのかもしれませんが・・・」

何せあの異様な場所である。
ナギの仕業なのではないか、という疑念は相変わらず強いままだが、
ハヤテがそれを知らないのであれば、何らかの危険があると警戒するのも自然なこと。
そこではぐれてしまった伊澄のことを探していたとしても、不思議は無い。

「そやそや、商店街と言えばな」

マリアの口にした単語で何かを思い出した風に、
咲夜はコートのポケットから何やら封筒を取り出す。

「伊澄さんに会うちょっと前に愛歌さんに会ってな、
 三千院の家に行く言うたら、コレを渡してくれって頼まれたんや」
「む・・・手紙? 副会長から?」
「詳しいコトはウチも聞いてへん」

ナギは咲夜から手渡された封筒を開き、取り出した便箋に記された文章に目を通し―――

「な・・・ななな、なんだとぉおおおお!?」

ナギの唐突な、そして強烈な驚愕の声に、伊澄と咲夜は慌ててナギの手にした便箋を覗き込む。

「!?」
「んなっ!?」

2人の目にも、あからさまな驚愕の色が浮かぶ。

「ナギ? 一体どう・・・」

少し離れたところにいたマリアは、彼女たちの尋常ならざる様子が気になって、
自分も、とナギに歩み寄ろうとするが・・・

「・・・許さん・・・絶対に許さんぞ・・・絶対にだ!」
「!?」

まるで、ナギの周囲の大気が、ゴゴゴ・・・と震えるかのような。
そう錯覚してしまうくらいに・・・ナギの驚愕が、怒りにとって変わるのがマリアにもありありと感じられる。
先ほどまでマリアが放っていた怒気も相当であったが、それすらも可愛く見える程のレベルで、である。

「あの女・・・ぜぇぇぇぇったいに、絶対に許さぁぁぁぁぁぁん!」



便箋をぐしゃ、と潰して床に叩き付けると、
金色なのは元からとしても、髪の毛が逆立つんじゃないかと思えるような咆哮を残し、
ナギはノートを手にしたまま、もの凄い勢いで走り出す。

「待っていろ、今いくからな! ハヤテ――――――っ!!」
「あ、ナギ! そのノート・・・わ、私も行きます!」

ナギの様子と、彼女が手にしたままのノートが気になるのか、伊澄もナギを追ってパタパタと走り出す。

「ウチも行ってくるわ、マリアさん」

咲夜もまた2人の後に続き走り去る。
彼女の場合は、怒りや心配ではなく、明らかに何か面白いことが起こるという予感を
抱いているであろうことが、マリアには見て取れた訳であるが。

「・・・えぇと・・・」

結局、状況がわからぬまま、とりあえずマリアは床に残された便箋を拾い上げ、
丸められた紙を広げてみる。

「!? これは・・・」

なるほど、とマリアは思う。
確かにこの文面ならナギのあの反応は納得が行くし、咲夜のあの反応も納得が行く。
納得は行くのだが・・・

『三千院 ナギ様

 本日夕刻、白皇学院生徒会室“天球の間”にて、
 天王洲アテネと綾崎ハヤテの結婚式が執り行なわれます。
 参列なさるのでしたら、お急ぎになられます様。

霞 愛歌』


―――ハヤテくんが結婚?
―――あの理事長と?
―――そもそもこの手紙は招待状?
―――それとも状況を知らせるための情報提供?
―――ていうかそもそもハヤテくん、結婚できる年齢でしたっけ?

どこまでが冗談なのか、誰が本気なのか、はたまた全部嘘なのか。

いい加減、マリアとしても状況が理解の遥か斜め上に行き過ぎていると思わざるを得なかった。
これも手の込んだナギの悪戯の一部なのか、
ナギもまた別の悪戯に踊らされているというコトなのか・・・

「これは・・・仕方ありません。
 調べるしかないですわね・・・」

マリアは呆れ顔で呟いて、ふぅ、と溜息をつく。
溜息をついて顔を上げると、表情が真剣なものに変わる。

「さて・・・どなたの悪戯なのかはわかりませんが・・・」

懐から笛を取り出して“ぴゅっ”と短く吹くと、今まで何処に控えていたのか・・・
小さな陰が数体、彼女の前にさっと躍り出て、畏まる。

「三千院家諜報部の実力・・・堪能して頂きますわよ?」

唇の端を吊り上げて、彼女は小さく笑った。

 


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まえのおはなし。

つぎのおはなし。

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