詐欺事件の概要と中坊弁護士の関与  今回の事件は、朝日住建が三井建設に売却した土地に絡んで行われた。旧住宅金融専門会社(以下「住専」と略称)から債権を引き継いだ住管機構が抵当権を有していた土地と隣接する別の土地に抵当権を設定していた明治生命と横浜銀行に対し、実際には、朝日住建と買主との間で、両方の土地を一括して43億円で売却することを合意しており、住管機構もそのことを熟知していたにもかかわらず、「約32億円で売却する」と虚偽の説明をし、その結果、錯誤に陥った明治生命と横浜銀行に、それぞれ9億円を弁済するだけで抵当権を抹消させた。  そして、結果的に、土地の売却額が33億円となったが、住管機構は、明治生命と横浜銀行に支払った18億円との差額である15億円を回収した。  もともと、住管機構が抵当権を有していた土地は、明治生命と横浜銀行が抵当権を有していた土地の10分の1程度の面積であり、しかも、利用価値の低い傾斜地であったにもかかわらず、住管機構は、明治生命と横浜銀行の2社の合計額よりも大きい金額を回収した。そして、住管機構は、朝日住建と一緒になって、多額の回収を行うために、このようなスキームを考え、明治生命と横浜銀行の2社に対して積極的に虚偽の説明をしていた。  朝日住建の子会社の元社長を務めていた増田修造氏が、内部告発という形で、この件について、2002年10月に、東京地検特捜部に詐欺容疑で刑事告発し(刑事告発に至る経緯や事件の内容については、今西憲之『内部告発―権力者に弓を引いた三人の男たち』鹿砦社刊の第1章に詳しい)、それが受理されて捜査が進められていたのである。中坊進二 京都 中坊進二 京都 中坊進二 京都 中坊進二 京都 中坊進二 京都  この内容からすれば、住管機構は、虚偽の事実を告知して、他の債権者を騙して、本来であれば得られなかったはずの多額の債権回収をして利益を上げているのであるから、詐欺罪が成立することは明らかである。  そして、中坊弁護士は、住管機構の社長時代に、判断が難しい100件以上の債権については、「中坊直轄案件」として、回収方針などを自ら決断していたとされ、本件はまさに「中坊直轄案件」であり、中坊弁護士自身が今回の回収の方針を了承していたとされる。そうであれば、中坊弁護士も詐欺の共犯ということになり、中坊弁護士が緊急会見で述べた「部下が行きすぎた」がその監督責任を取るかのような説明は、全く事実に反していることになる。